今月の星空(2023年4月)

こんにちは。浜松科学館天文チームです。
新年度が始まり、ワクワク・ドキドキの日々をお過ごしの方も多いかと思います。
お時間のあるときに、ぜひゆったりと夜空を見上げてみてください。
4月の星空案内をお届けします。

4月の星空案内:春の星座を見つけてみて

4月の星空

2023年4月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています

春の星座がよく見えるようになりました。
まずは北の空で有名な北斗七星を探してみましょう。比較的明るい7つの星を結んでできる形が、ひしゃくという水を汲む道具の形に似ているので、北の空にひしゃく(「斗」とは、ひしゃくのことです)に見える7つの星ということで「北斗七星」といいます。北斗七星はおおぐま座の一部となります。
曲がっているひしゃくの柄の部分から曲線を伸ばしていくと、オレンジ色の明るい星が見つかります。これが、うしかい座のアルクトゥルスです。さらに曲線を伸ばしていくと青白い明るい星が見つかります。これが、おとめ座のスピカです。北斗七星からおとめ座のスピカまでの曲線を春の大曲線と呼び、春の星座を見つける目印となっています。
ぜひ春の大曲線をたどって3つの春の星座を見つけてみてください。

今月の星座:おおぐま座

おおぐま座

有名な「北斗七星」は星座ではありません。「おおぐま座」の腰からしっぽのあたりが「北斗七星」なので、「北斗七星」は「おおぐま座」の一部となっています。「おおぐま座」の絵を見て、おかしいと思いませんでしたか?熊にしてはしっぽが長すぎますね。しっぽが長い理由は、ギリシャ神話で説明されています。
大神ゼウスがカリストという女性に恋をして、アルカスという男の子が生まれました。
ところが、ゼウスには女神ヘラという妃がいたので大変です!怒ったヘラはカリストを熊の姿に変えてしまいました。それから十数年経って、立派な狩人になったアルカスは森の中で狩りをしていました。その時1頭の熊を見つけて、弓矢で狙います。その熊はお母さんのカリストでした。それを天から見ていたゼウスは「子どもに母親を殺させるわけにはいかない。」とアルカスも小さな熊に変えて、2頭の熊のしっぽを掴んで空に投げ上げて星座にしたと言われています。その時にゼウスがしっぽを引っ張りすぎたので、おおぐま座とこぐま座のしっぽは長くなったとされています。

(文:浜松科学館 天文チーム)

世界半周をした?マゼラン

みなさんは、旅は好きですか?ひとえに“旅”といっても、徒歩で行ける身軽な旅もあれば、飛行機で出かける大がかりな旅もありますね。そこにはどんな思い出があるでしょうか。

さて今回は、大航海時代に壮大な旅をしたポルトガルの探検家、フェルディナンド・マゼランのお話です。1519年、たった5隻の船でスペインを出航したマゼランは、1522年に世界一周を成し遂げました。そのため、彼が航海中に見つけた天体や動物にはその名前が採られています。例えば、大マゼラン雲や小マゼラン雲、マゼラン海峡、マゼランペンギンなど。

しかし、実際に彼は世界一周をしたわけではありません。なぜなら、彼は航海の半ばであった1521年にフィリピンで戦死したからです。仲間の1隻の船が遺志を継いで世界一周を成し遂げました。この偉業によって、地球が丸いことが間接的に証明されたのです。

マゼランの航路

マゼランが戦死したのは、4月27日だといわれています。4月になると、南半球では南の空に大マゼラン雲と小マゼラン雲がよく見えています。ちぎれた雲のように見える銀河で、肉眼で見ることができます。北半球では、北極星を頼りに北の方角を知ることができますが、南下するにつれて北極星は見えなくなります。加えて、南半球では天の南極を示す目印となる星がありません。マゼラン一行は夜通し航海をする中、これら2つの銀河を頼りに船旅を続けたといわれています。
みなさんも、南半球の星空を見上げて、マゼランに思いを馳せてみませんか?

大マゼラン雲と小マゼラン雲 ©ESO/S. Brunier – ESO

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