原理解説でんけんラボ

図 ナノスーツができるしくみ

電子顕微鏡のしくみ

電子顕微鏡とは、電子線を用いることで約100万倍まで拡大した像で観察することができる顕微鏡です。私たちは普段、約400~800nmの波長の光、可視光でものを見ています。しかし、この400nmより小さい物質は、可視光では捉えることができません。そこで、光の代わりに電子を使ってものを見るのが電子顕微鏡です。電子顕微鏡では、電子線と呼ばれる非常に波長の短い粒子線を物質に当て、反射した電子を検出器でとらえています。

「ナノスーツ法」とは

「ナノスーツ法」とは、電子顕微鏡で、生きた生物のありのままの形を観察できる画期的な方法です。電子顕微鏡は、電子線を飛ばすために本体内部を真空に保つ仕組みを持っています。真空中では、生物試料(観察するもの)は変形してしまうため、金属表面加工等を施した試料、つまり死んだ生物を観察せざるを得ませんでした。ナノスーツ法では、試料を薬剤に浸けて電子線を当てることで、薬剤が瞬時に薄い膜に化学変化するため、試料を真空中で生きたまま観察できるのです。(図)