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表紙の1枚

表紙の1枚(vol.28)「予想してみる」

浜松科学館ニューズレター「COMPASS」。
第28号の表紙は、7月19日から8月31日まで開催した夏の特別展「ビーコロ展」に向けて展示装置を制作しているサイエンスチームの天井(あまい)さんです。

多種多様なコースの上をビー玉が転がる様子を眺める装置を、わたしたちは「ビーコロ」と呼んでいます。そんなビーコロ装置が約20台集まる特別展「ビーコロ展in 浜松2025」を、夏休み期間に開催しました。浜松科学館では今回で3回目の開催で、装置はすべて職員の手作り。サイエンスチームのメンバーたちが、新作の制作に力を注ぎました。

天井さん「ビーコロ展を夏休みに開催したのは初めてで、多くの方にお越しいただきました。一つ一つの装置を、来場者の皆さんが興味深く楽しんでいる様子が見られました。」

天井さん「私は今回〈まっしろ〉というタイトルの新作を設置しました。タイトル通り、すべて真っ白な発泡トレーで作成していて、ビー玉の転がる様子が見やすいようにしています。堅牢な古代遺跡のような造形を目指しました。」

天井さん「正面からはどこに転がったかが見えない箇所も設けました。横から覗いていただくと、隠れているコースが見えるしかけになっています。装置を色々な角度から眺めることで二度・三度と発見があるように工夫しました。ちなみに、真上から見るとコースが星型になっている部分もあります。」

天井さん「今回制作したビーコロ装置は、身近にある材料を使用したものが多くあります。自分も作ってみたい!という工作のヒントにもなっていると嬉しいです。」
 
ふだんは「実験大好き てんちゃん」という愛称で、サイエンスショーや展示解説、イベントなど、さまざまな場面で科学の楽しさを伝えている天井さん。「予想すること」も大切な要素のひとつです。

天井さん「〈こうなるんじゃないかな?〉と予想することで、それが当たった、もしくは外れたときに〈なぜそうなったんだろう?/どうすればいいだろう?〉という次の行動…探求的な活動につながりやすくなると感じています。科学的な考え方の第一歩ではないでしょうか。」
 
天井さん「今回のビーコロ装置のほか、科学館の展示やサイエンスショー、イベントなどでも、ぜひどうなるかを自分なりに予想して体験してみてください。予想外の、思いがけない発見もあるかもしれません。実験を繰り返して発見を積み重ねていくことはとても面白いですよ。科学館で沢山お楽しみください。」