ブログ・発行物

ブログ

今月の星空

今月の星空案内(2025年7月)

浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

天文台からのコメント:7月の和名である「文月」は、七夕にちなんでつけられた呼び名とも言われています。雲が多くかかる6月が終わり、7月中旬を過ぎると梅雨明けを迎えます。昨年の浜松はそのころ、急に気温も高くなりました。暑い夏がやってきますが、梅雨明けの夏の夜空を楽しみたいですね。
(文:浜松市天文台)

浜松市天文台のWebサイト

7月の星空案内

7月、いよいよ夏本番。夏休みも始まりますね。空を見上げると、ヘラクレス座、へびつかい座、さそり座、そして夏の大三角。夏の星座が堂々と見えています。また、天の川がよく見える季節でもあります。

天の川は太陽系が入った銀河を、内側から見た姿。そして、さそり座といて座のあたりは、星がぎっしり集まった天の川銀河の中心方向を見通すことになるので、天の川が鮮やかに見えます。

七夕もありますし、街から少し離れた暗い場所へ行って、天の川を見るのもおすすめです。よい子の皆さんは、必ず大人の人と一緒に星空を見に行きましょうね。

おおかみ座・ケンタウルス座

 6月~7月の日暮れ、南の地平線付近に明るめの星々がちらばって輝いているのが見えるでしょう。ケンタウルス座とおおかみ座です。浜松の緯度では、おおかみ座は水平線上にほぼ全体が見え、ケンタウルス座は上半分ほど。

 ケンタウルス座の地平線下の部分には、たいへん明るい星のケンタウルス座α星があります。その明るさは、地球から見える恒星の中でも上位です。また、この恒星は現在分かっている多くの恒星の中で、最も太陽系に近く、4.4光年のところにあります。
 ケンタウルスというのは、腰から下が馬の体となっている半人半獣の種族の名前です。ケンタウルスの多くは、山の洞穴に住み、乱暴な種族だったそうで、星座でもおおかみ座を槍で刺す姿が表されています。
 一方、この槍で刺されているおおかみ座は、実はもともとは、古代ギリシアのアルカディアの王だったリュカオンという人間でした。おおかみの姿に変えたのは、大神ゼウスです。なぜ、ゼウスはおおかみの姿に変えてしまったのでしょうか。
 ある日ゼウスは、王であったリュカオンのところへ訪れました。ゼウスをもてなそうと、リュカオンはご馳走を準備しました。しかし、ご馳走として出した料理は、人間の肉を使ったものだったのです。それに気付いたゼウスが怒り、リュカオンをはじめ、その一族の姿をおおかみの姿に変えてしまいました。そのおおかみが、おおかみ座になったと言われています。

<参考> 全天星座百科(藤井旭;川手書房新社)

りゅう座の星もいつかの北極星

7月、アークトゥルスやスピカが西の空に傾き、南の空にはさそり座、東の空には夏の大三角が昇って夏本番の夜空となります。星空観察会も各地で行われることでしょう。にぎやかな南の空に比べ、北の空が見過ごされてしまいそうですが、この時期、北の空にはりゅう座があります。ギリシャ神話では大神ゼウスと女神ヘラの結婚を祝って贈られた黄金のリンゴを守るドラゴン「ラドン」として登場します。

 そして、今から約5,000年前、りゅう座の星「トゥバン」が北極星でした。北極星といえば「北の方角を知る目印の星」「空の中で動かない星」とされ、永久にそこにあるもののように感じます。しかし実は、”北極星”と名乗る星は長い時間をかけて移り変わっていくものなのです。
 北極星とは、地軸を空に伸ばしていった方向にある星のことで、現在はこぐま座の尻尾の星がこれにあたります。地球の地軸は公転軌道に対して約23.4°傾いており、太陽などの天体の引力によって、立て直そうとする力が絶えず働いています。また、地球の自転や公転で地球自身も絶えず動いています。すると、地球は地軸の向きを変えながら自転・公転することになります。この様子は止まりかけのコマの首振りにたとえられます。

 地球の首振りを歳差運動(さいさうんどう)といい、一回りするのに約2万6,000年かかります。数千年という時間単位で空を見ると、北極星は歳差円の近くにある星が持ち回りで担当しているということがわかります。5,000年前の人々にとって、北極星はりゅう座の星だったのです。

浜松科学館で投映中の番組

★☆★今月から一部の投映スケジュールが変更になります!★☆★
プラネタリウム投映スケジュールの変更(7/1〜)

プラネタリウム
「七夕まつり」
プラネタリウム
「夜空のどうぶつ図鑑」

プラネタリウム「星空マルシェ」ポスター
プラネタリウム
「星空マルシェ」
キッズプラネタリウム
「きらきら☆こんやのおほしさま~なつのほし~」
大型映像
「ティラノサウルス」
大型映像「ヒーリングアース」ポスター
大型映像
「ヒーリングアース inJAPAN」
【月1回・大人限定】
夜の科学館 特別投映
「星空食堂」
宇宙食と日本食の話をプラネタリウムでご紹介!