浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。
12月を迎え、2025年も残りわずかとなりました。日本の冬は、太平洋側では晴天率が高く、空気も澄んでいるため、星空を眺めるよい季節です。今年4回あった、プレアデス星団の食が31日の23時ごろ起きます。2025年の天文現象の締めくくりとして、ゆっくり星空を眺めるのはいかがでしょうか。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト
12月の星空案内

秋の星座は西へ傾き、東の空からはきらびやかな冬の星たちが現れます。星空の世界でも、季節が変わっていくようです。クリスマス・年末と忙しい時期。お仕事やお勉強の合間には空を見上げてみましょう。晴れている日も多く、星がきれいに見えやすい時期です。
惑星の中でもガス惑星に分類される二つ、土星と木星が見ごろです。木星と土星、あるいは惑星と恒星、星をいろいろと見比べてみるとそれぞれ個性があって面白いです。恒星の明るさや色の違いについては本記事のコラムにも説明がありますので、ぜひご参照ください。
また、ふたご座流星群が12月14日頃に極大を迎え、多くの流れ星が見られるチャンスです。13日の夜には浜松市天文台でもふたご座流星群観望会を行います!澄んだ冬の空気のもと、煌めく星々や流星に願いをかけてみませんか。寒さ対策は万全に!
おひつじ座

アンドロメダ座のすぐ南に、細長い二等辺三角形のように見える星座、さんかく座があります。そのさんかく座のすぐ南よりに、やや形をくずした三角形で、「へ」の字を裏返したような形にならんでいる星があります。それが、今回ご紹介する「おひつじ座」の頭の部分です。
「おひつじ座」は、空を飛ぶ金毛の牡羊の姿をあらわしています。暗い星をつなぐため、牡羊の胴体は頭部とプレアデス星団の間に横たわっていると見当をつけるしかありません。この「おひつじ座」は、2000年以上前のギリシア時代には重要な星座として注目されていました。その理由は、現在ではうお座の「西の魚」近くにある春分点が、この「おひつじ座」にあったからです。そのなごりとして、春分点を「白羊宮の原点」と呼んだり、羊の頭のイメージを表すマークを使ったりしています。
「おひつじ座」は金色の毛をもつ空飛ぶ牡羊として、次のような物語が語り継がれています。テッサリアの王であるアタマスには、プリクソス王子とヘレー王女という二人の子供がいました。その二人の存在を、よく思わない人物がいました。それがアタマス王の2番目の妻であるイーノです。イーノの策略で、二人は命を狙われてしまいました。そんな二人の前に現れたのが、毛が金色に輝く空を飛ぶ牡羊でした。この牡羊は、大神ゼウスが二人を助けるために送ったものでした。プリクソス王子とヘレー王女はその羊の背に乗って、黒海の岸コルキスの国に向けて飛びました。しかし、あまりにも速く高く飛んだため、残念ながらヘレー王女は海に落ちてしまいました。プリクソス王子は無事にコルキスへたどり着き、親切にもてなされました。このときの羊が、その後、大神ゼウスによって星座となったとされています。
参考図書:全天星座百科(藤井旭著/河出書房新社)
星空イルミネーション
今年も残すところ、あと1ヶ月。街がさまざまな光で彩られるイルミネーションの季節になりましたね。そんなきれいなイルミネーションのように、星の光にもいろいろな色や輝きがあることを知っていますか?
まず一番わかりやすいのは、星の「明るさ」の違いでしょう。星は明るさによって、一等星、二等星という風に明るさのランク分けがされています。最も明るい星を一等星、目で見える星の中で最も暗い星を六等星として大きく6つに分けられます。そして、一等星と六等星と比べると、約100倍もの明るさの違いがあるんですよ。それほど、星の明るさには幅があるのですね。
では、なぜいろいろな明るさの星があるのでしょうか。理由はいくつかありますが、まず一つ目に挙げられるのは地球からの距離の違いです。星の光に限らず、近くの光は明るく、遠くの光は暗く見えますね。同じように地球に近いところで輝く星は明るく見えます。ですが、遠くの星なのに明るく見える星もあります。これは星の温度が高かったり、星の大きさが他の星の何百倍、何千倍も大きかったりする星たちです。そのような星は放つ光のエネルギーが非常に大きく、明るく輝くので遠くにあっても明るく見えるのです。

そして次に、星の「色」の違いです。例えば、冬の大三角を作る星のシリウスとベテルギウスを比べてみると、シリウスは青白い光、ベテルギウスは赤っぽい光で輝いているのが分かります。この星の色の違いは星の表面温度の違いによるものです。青白い光のシリウスは温度が高い星で、約1万℃で輝いています。それに対してベテルギウスは約3,500℃と、星の世界では低温の部類に入ります。なんとなく、私たちの感覚的に「寒色」と呼ばれる青の方が冷たそうに感じますが、星の世
界は逆なんですね。こんな風に星の色に注目すれば、大体の表面温度を知ることができます。
冬は明るい星が多く、空気も澄んでいるので星を見るにはとてもいい季節です。地上を彩るイルミネーションも素敵ですが、夜空を彩る星の光も負けないくらいきれいですよ。星にはどんな違いがあるのか、ぜひ実際の空でも比べてみてくださいね。それではみなさん、よいお年をお迎えください。
浜松科学館で投映中の番組
冬季(12月20日-1月6日)の期間は、投映スケジュールが土日祝と同じになります!
ご好評いただいているキッズプラネタリウムのほか、クリスマスをテーマにしたプラネタリウムも投映中です。
そして、12月26日からは、新番組「天竜浜名湖鉄道 星空紀行」をお送りいたします。
ぜひ、お越しください!
なお、12月29日-1月3日は年末年始休館です。

!12月25日まで!
【毎日14:30~】&
【土日祝と冬季13:00~】
プラネタリウム
「星降るクリスマス」

【土日祝11:30~】
キッズプラネタリウム
「きらきら☆こんやのおほしさま~ふゆのほし~」

!12月26日から!
【毎日14:30~】&
【土日祝と冬季13:00~】
プラネタリウム
「天竜浜名湖鉄道 星空紀行」

【土日祝10:30~】
大型映像
「ティラノサウルス」

【毎日15:50~】
大型映像
「ヒーリングアース inJAPAN」

【月1回・大人限定】
夜の科学館 特別投映
「星の名前とその意味」
今月のテーマは「言葉」。星座や目立つ天体だけでなく、固有の名前を持つ星はたくさんあります。しかしそのほとんどは聞き馴染みのない言葉。その意味をご紹介します。