浜松科学館ニュースレター「COMPASS」。
第32号の表紙は、浜松科学館の外観を俯瞰して撮った写真です。1996年に撮影されました。

屋上にはかつてのシンボルマーク(ハレー彗星をモチーフとしたもの)が大きく記されています。右上に見える大きな屋根の建物はボウリング場です。
浜松科学館は、1986年5月1日に開館しました。前身となる「浜松市児童会館(所在地:現在の浜松市中央区利町)」が1986年3月に閉館し、その2ヶ月後、現・中央区北寺島町にオープンしました。設計は環境デザイン研究所の仙田満氏。中央に中2階を設け、大きな吹き抜けのある円環の「遊環構造」が特徴的な建物です。館内は自然・光・音・力・宇宙・エレクトロニクスのコーナーに分かれた体験型装置のそろう常設展と、プラネタリウムを備えています。


今年(2026年)は開館から40周年をむかえます。記念日である5月1日には、式典や全来館者を対象とした常設展の無料開放のほか、これまでの歩みをまとめた特別展示を、館内無料エリアでおこないます。特別展示は経営管理グループの横田さんを中心に企画を進めました。

横田さん「1年くらい前から、浜松科学館の歴史について、図書館などで調べ始めました。ただその時は、浜松出身の建築家である中村與資平への興味が大きく、中村與資平と科学や科学館のつながりを調査していて、それが拡がって年表作成作業につながりました。中村與資平は浜松市内に今も残る静岡銀行や木下惠介記念館の建物を作った人ですが、1927年に、今の五社神社南側(利町)に浜松市公会堂を作りました。そして1962年、公会堂の建物を増改築して作られたのが、浜松科学館の前身である浜松市児童会館です。中村與資平は浜松科学館の大切なルーツの1つだと感じています。」
かつて使用されていたパンフレットや、展示室で活躍していた「ロボ君」、「ブルー夢くん」「グリ夢ちゃん」の実物、開館当初に制作された1/200スケールの模型なども展示しています。


横田さん「役目を終えた”“グリ夢ちゃん”、“ブルー夢くん”は、普段は出口ゲート付近の機械室の中に展示されています。かつてエントランスで来館者を迎えていた”ロボくん”を含め、来館される方から、思い出に残っているというお声をいただくキャラクターたちですので、ぜひ館内に展示したいと思いました。また、浜松科学館の建物は仙田満氏(環境デザイン研究所)が設計しています。仙田さんの建築の大きな特徴である「遊環構造」という手法を初めて取り入れたのが、浜松科学館ということで、仙田さんにとっても思い入れの深い科学館のようです。今回、開館前の建築中の写真や開館前日の新聞記事、仙田さん(環境デザイン研究所)の建築模型も展示しています。模型を見ていただくと、仙田さんは建物だけでなく、サイエンスパーク、自然観察園も含めた街の景観を大切に設計されていることが分かります。市民の皆さんにとって、今回の展示が科学館の思い出を振り返るきっかけになればと思います。」

合わせて、常設展出口ゲート付近の黒い壁に、全面リニューアル(2019年)以降に発行したニューズレター「COMPASS」のこれまでの表紙を掲示しています。

横田さん「これも40周年を機に、ぜひ展示したいと思っていたものです。COMPASSは2019年のリニューアル時からPRチームが作成し、表紙の写真もPRチームが撮影しています。第5号からは、科学館の職員にフォーカスして、その人自身が表れるような瞬間をとらえています。こうして、32号まで並べてみると、科学館職員がどんなことに取り組み、何を大切にしてきたかが見えてくるように思いますが、いかがでしょうか。」
横田さん「今回、年表を制作するにあたり、浜松市や社会状況、科学史を1920年代から振り返りました。科学館が生まれるまでの時代、そして科学館が開館してからの歩みを振り返ると、科学が社会や私たちの生活にどのような影響を与えてきたかが分かるように思います。私たちは2019年から、指定管理者(乃村工藝社・SBSプロモーション共同事業体)としてこの科学館をお預かりしていますが、年表作成を通して、私たちの知らない科学館の歴史がたくさんあることを知りました。市民の皆さんから教えていただく科学館の思い出がたくさんあると思います。これまでの歴史を振り返るとともに、浜松科学館の現在地を確認し、そして未来へどのように歩みを進めていくのか。市民の皆さんと展示を通して、語り合う場になったら嬉しいです。」
40周年記念の取り組みの詳細はこちら:https://www.mirai-ra.jp/news/41967/