自然いきもの観察隊〜冬越しする昆虫をさがそう!~

皆さん、こんにちは!
浜松科学館の昆虫博士、小粥です。
先日、科学館を飛び出して、静岡県立森林公園で「自然いきもの観察隊~冬越しする昆虫をさがそう!~」の外部講師を務めました。
参加者は、なんと38名!
過去3年間の自然いきもの観察隊イベントの中でもダントツの参加人数だそうです!
皆さんの昆虫への意識の高さを感じますね。

今回のテーマは「擬態」。
寒い冬、昆虫たちは気温が低すぎて動くことができません。
そのため、鳥などの捕食者に食べられないように周囲の環境を真似してじっとしています。
冬は、昆虫がいないイメージがありますが、擬態して忍者のように隠れているのです。
観察した昆虫たちを順にご紹介します。
まずはコミミズクの幼虫。
カメムシやセミの仲間で、コナラなどの落葉樹の枝で越冬します。
ピッタリと枝にくっついているので、なかなか見つけることが出来ません。

次は、蛾の一種スカシカギバの幼虫です。
一見すると、鳥の糞!
子供たちはスカシカギバを見つけると「ウンチ!ウンチ!」と叫んでいました。
しかし、よく観察すると体を折り曲げて、頭やお尻があることが分かります。

3種目はコマダラウスバカゲロウの幼虫。
いわゆるアリジゴクの仲間です。
この種はすり鉢状の巣を作らず、レプラゴケという地衣類を身にまとい、岩に張り付いています。
写真のように大アゴをカッと開いて、通りかかる生き物を捕らえます。

最後はオオアヤシャクの幼虫。
直立不動で、コブシの冬芽に擬態しています。
つぶらな瞳や、キュッとまとめた脚が可愛いですね。

学術的にも議論の余地がありますが、一般的に擬態とは「ある生き物が何かに似せてそれを見つけるものをだますこと」とされています。

例えば、「スカシカギバの幼虫」は「鳥の糞」に似せてスカシカギバを食べる「鳥」をだましています。
つまり擬態には「ある生き物」「何か」「見つけるもの」という3者関係が必要なのです。
自然界は、単純に食う食われる関係だけではない複雑な関係が存在している。
そんな自然の関係性をちょっとだけ覗き見した特別な体験になったのではないでしょうか。