春の企画展「ビーコロ展in浜松」

みなさん、こんにちは。
浜松科学館のうえちゃんです。

3月の春休み期間から5月のゴールデンウィークまで、春の企画展「ビーコロ展in浜松」を開催しました。連日、多くの方にお越しいただきました。

ビーコロとは?
佐賀県にある、佐賀県立宇宙科学館ゆめぎんがのスタッフが名付けた、ビー玉コロコロ装置のことです。一般的には、マーブルマシーンと呼ばれています。ビー玉を転がしてゴールさせる間に色々なからくりが仕掛けられている装置で、子どもはもちろん、大人も夢中になれます。今回は浜松でも開催したい!という思いから、名前をお借りしました。

ビーコロにある科学
なぜ、科学館でビーコロ?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。ビーコロ装置には科学的に説明できる事柄がたくさん詰まっているんです。企画展の展示の中では触れていませんが、この記事では、それらを少しだけ解説していきます。

まずは、力学的エネルギーについてです。難しそうですが、坂道でボールを転がすことを想像してみてください。坂の上でボールが止まっている状態、高い位置にある物体が持っている力を「位置エネルギー」と言います。一方で、坂道を転がっているボール、運動している物体が持っている力を「運動エネルギー」と言います。この2つを足したものが「力学的エネルギー」と呼ばれています。これらを考えて作られているものの1つが、ジェットコースターです。ジェットコースターは猛スピードで走り、時にはくるりと一回転もします。エネルギーを無駄にせず、上手く計算されているからこそ成せる業です。

さて、この原理使ったビーコロ装置がこちらの「ループ」です。
コースはレールを曲げて作成しました。いかがでしょうか?

次はパラボラの原理です。パラボラアンテナは、放物曲面をした反射器を持つ凹型アンテナのことです。文字にすると難しいですが、見たことはあるかと思います。身近なものだと、BSテレビのアンテナなどがその形ですね。放物線には、放物線の壁に電波や物質がぶつかってはね返ると、必ず焦点(1点)に向かうという特徴があります。これを利用して、遠くから飛んでくる電波を集めているのがパラボラアンテナです。
放物線の壁に電波がぶつかってはね返るときの動きをビー玉で再現した装置がこちら。どこから転がしても、焦点(穴)に入るというものです。

この他に、遠心力や、摩擦力を使った装置も展示しました。ビーコロ装置には科学が詰まっているのです。

素材にも注目
今回展示したビーコロ装置は、色々なもので出来ています。段ボールや、割りばし、ホース、そして本や文房具など、身近にあるものもたくさんあります。他にも、今回は使いませんでしたが、ペットボトルやキッチングッズなどを使う案もありました。

ビーコロ装置に専用の素材や道具は必要ありません。
もうすぐ夏休みもやってきます。
皆さんも家庭にあるもので、ぜひ、挑戦してみてください。新しい発見もありますよ!


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