表紙の1枚(vol.14):科学の入口

浜松科学館の広報誌「COMPASS」。
第14号の表紙は、常設展1F「自然ゾーン」でボランティアと一緒に活動する水谷さんです。

当館で水色のベストを着た人を見かけたことはあるでしょうか。彼らは、浜松科学館のボランティアメンバーです。18歳以上の一般メンバーと中学・高校生によるジュニアメンバーで構成され、現在39名が在籍しています。それぞれ活動したい日に来館して、ミニワークショップやイベントのサポート、自然観察園の整備などの活動を行っています。

今年度、ボランティアが常設展の展示を案内するプログラムを作りました。
このプログラムの考案に関わったのが、水谷さんです。

「私は今年4月からボランティアの担当になりました。これまでの活動に加えて、科学館にある展示に、もっとボランティアが関わっていけたらと、展示案内のプログラムを考えました。私たちスタッフは、ボランティアの皆さんが案内したい展示を解説できるようにサポートします。また、ジュニアメンバーには、来館者と一緒に展示を楽しむことができる5つのモデルコースを用意して、選択できるようにしました。」

今後は展示案内の他に、ボランティアメンバーが発案した観察イベント・実験なども行う予定です。

「先日はボランティアメンバーの1人と一緒に、顕微鏡を使った”イシクラゲ”の観察会を行いました。イシクラゲってご存知でしょうか。シアノバクテリア(藍藻)の一種で、水気の多い陸上に生息する、ぬるぬるとした海藻のような形状の生物です。私は学生時代、シアノバクテリアについて研究していました。現在の地球環境の形成に関わる重要な生物なんですよ。」

1階自然ゾーンで開催した観察会では、パネルなどを用いて来館者に説明しました。
当日は多くの方が立ち寄って、顕微鏡をのぞいていました。

「この方は現在、虫眼鏡を使った観察イベントを準備中で、今回のイシクラゲの観察会で来館者との交流を体験してもらいました。この活動をきっかけに、ボランティアが活動する場がさらに拡がるといいなと思います。」

また、秋の企画展「科学の学園祭2022」では、10月15日と16日に、ジュニアボランティアによるワークショップを行います。
「動く恐竜の模型の工作体験と、赤青メガネを使った実験です。内容はスタッフやボランティアメンバーのアイデアを取り入れました。ぜひ、多くの方に来ていただきたいです。」

水谷さん自身も、以前別の博物館でボランティアをしていたことがあります。
「子供の頃から博物館が好きで、何かしらの形で関わりたいと思っていました。ボランティア活動では多様なプログラムがあって、わくわくしながら取り組んでいました。」

「ボランティアメンバーは利用者の皆さんにとって、より身近で親しみやすい人たちではないでしょうか。必ずしも専門的な知識が無くとも、皆さんと同じ疑問をもったり、一緒に調べたりして、科学の入口に立って案内してくれる存在だと感じています。」

浜松科学館を一緒につくっているボランティアメンバーたち。お越しの際は、ぜひ気軽に話しかけてみてください。
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