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今月の星空

今月の星空案内(2025年9月)

浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

天文台からのコメント:22日に土星が衝を迎えます。衝とは、地球より外側を回る太陽系の惑星が、地球に対して、太陽の正反対に位置することで観望の好機になります。7月中旬以降、だんだんと土星の輪の傾きが小さくなっています。このタイミングで、環が細くなっている土星を観てみましょう。また11月には、天文台でも土星を観察するイベントを企画しています。
(文:浜松市天文台)

浜松市天文台のWebサイト

9月の星空案内

9月、夏の大三角と秋の四辺形がどちらも楽しめます。
こと座・わし座・はくちょう座の明るい星を結ぶと夏の大三角。こちらは全部一等星なので街なかでもすぐ見つかります。
一方の秋の四辺形はペガスス座の星たち。こちらは二等星や三等星なので、辺りが明るい街なかだと見つけるのにやや苦労します。

こぎつね座

 はくちょう座の南に接し、や座のすぐ北にある星座が、こぎつね座です。横長の星座になりますが、一番明るい星で4.5等星であるため、あまり目立たない星座になります。

 このこぎつね座を考案したのは、17世紀ポーランドの天文学者ヨハネス・ヘヴェリウスです。ヘヴェリウスは個人の天文台を持ち、精度の高い観測をした人物です。88個の星座のうち、ヘヴェリウスが設定したものは7個あります。
 こぎつね座は、ヘヴェリウスが亡くなった後に出版された著書の星図に描かれていました。そのときのこぎつね座は、獲物のがちょうをくわえたきつねの姿になっていました。これは形とは関係なく、「近くにわし座やはくちょう座があるため、がちょうをくわえたきつねがふさわしい。」とヘヴェリウスは考えたようです。そのため名前も当時は「がちょうをもつこぎつね」となっていましたが、いつしか「こぎつね座」と呼ばれるようになりました。
 また、こぎつね座の見所として、「惑星状星雲M27」と「Cr399」があります。「惑星状星雲M27」は、鉄アレイの形に似ていることから「あれい状星雲」の名前で知られています。惑星状星雲とは、太陽ほどの質量の星の終末期の姿になります。「Cr399」はこぎつね座とや座の境界あたりにある恒星の集まりで、形が洋服をかけるハンガーに似ていることから、「コートハンガー」と名前がつけられています。

<参考> 全天星座百科(藤井旭;川手書房新社)、星雲星団ウォッチング(浅田英夫;地人書)

「秋分の日」昼夜の長さはぴったり半分?

 今年の秋分の日は9月23日です。暑さは残っていますが、秋の気配を感じられるようになってきます。さて、秋分の日といえば、昼と夜の長さが同じになると思っている方が多いかもしれません。しかし厳密には、ぴったり同じの12時間00分ではありません。昼の方が少し長いです。

 これは日の出、日の入りの定義によるものです。日の出は、太陽が地平線から出た瞬間で、日の入りは、太陽が地平線に沈み切った瞬間です。そのため、太陽の一部が地平線の下にあっても“昼”にあたるのです(図1)。また、光の屈折によって、私たちは、実際の地平線の位置よりも高い位置に地平線があるように見えています。同じように、太陽も少し浮き上がって見えてしまいます。これらの要因で、秋分の日は昼と夜の長さがぴったり半分ではないのです。今年の浜松の秋分の日の日の出は5時38分、日の入りは17時43分で昼の長さが12時間7分です。少しだけ昼が長いですね。秋分の日から3日後の9月26日には、日の出5時40分、日の入り17時41分で昼の長さが12時間1分となり、昼夜の長さが限りなく半分に近くなります。
 では“秋分の日”とはどのように考えればよいのでしょうか。その一つとして「地球が太陽に対して正対している日」と表現することができます。地球は地軸を傾けて太陽の周りを回っています。1年を通して地球は、太陽に対してお辞儀をしたり、のけぞったりする姿勢を繰り返しているということです。そして、姿勢の変わり目に、太陽に対してまっすぐ向く(正対)瞬間があります。そこを“分点(ぶんてん)”といい、太陽に対してのけぞっていく姿勢になる点を秋分点、お辞儀する姿勢になる点を春分点と呼びます(図2)。

 これを踏まえて、プラネタリウムの解説では秋分の日は「昼と夜の長さがほとんど同じ日」「太陽が真東から昇り、真西に沈む日」とか「太陽に対して正対している日」と話していますよ。

浜松科学館で投映中の番組

【毎日14:30~ + 土日祝13:00~】
プラネタリウム
「月がきれいな夜に話したい3つのこと」

【土日祝11:30~】
キッズプラネタリウム
「きらきら☆こんやのおほしさま~なつのほし~」

【土日祝10:30~】
大型映像
「ティラノサウルス」

大型映像「ヒーリングアース」ポスター

【毎日15:50~】
大型映像
「ヒーリングアース inJAPAN」

【月1回・大人限定】
夜の科学館 特別投映
「過去から未来へ」
今月のテーマは「建物」。プラネタリウムドームの歴史や構造を探っていきましょう。