浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。
新年、明けましておめでとうございます。2026年が始まりました。初日の出は、ご覧になられましたか。天文現象というわけではない「初日の出」ですが、ゆっくりと昇ってくる太陽の美しさに心が動かされ、改めて自然の偉大さを感じさせられます。さて、2026年も様々な天体や、天文現象を観望することを通して、宇宙の神秘を一緒に楽しみましょう。本年もよろしくお願いいたします。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト
1月の星空案内

2026年1月の夜空は、太陽系最大の惑星・木星が主役を飾ります。1月10日に「衝(しょう)」を迎え、マイナス2.7等という圧倒的な輝きで一晩中夜空を照らします。ひときわ存在感を放つその姿は、この冬一番の天体観測チャンスです。
また、1月4日の未明には、毎年恒例の「しぶんぎ座流星群」が極大となります。今年は満月直後の明るい月が空にありますが、建物などで月を隠しながら広く夜空を眺めれば、時折鋭く走る流れ星に出会えるかもしれません。
澄み渡る冬の空には、オリオン座を含む「冬の大三角」も宝石のように煌めいています。23日の夕暮れには、西の低空で細い月と土星が寄り添う幻想的な光景も見逃せません。
冬は寒さが厳しい反面、空気が澄んで星が一層きれいに見える季節です。防寒・寒さ対策を万全に、星を眺めましょう。
はと座

冬の夜空、南の低い空に見えるのが、今回紹介する「はと座」です。「はと座」は南の低い位置にあるため、南の視界が開けた場所で探す必要があります。「はと座」を探すときは、冬の夜空でひときわ目立つ「オリオン座」を目印にすると便利です。「オリオン座」の南に「うさぎ座」があり、「はと座」はそのさらに南へと広がっています。
設定者は17世紀のフランスの建築家ロワイエだとされています。しかし、はと座の原型は古代ギリシャのころからあったとされており、2世紀のアレキサンドリアの神学者クレメンスの著書に述べられていると言われています。ロワイエはこの星座を「ノアのはと座」と名付けていました。このことから分かるように、モデルとなっているのは、旧約聖書の「ノアの方舟」に登場するハトのようです。「ノアの方舟」の話について、旧約聖書から紹介します。神ヤハウェは、人々の暮らしが乱れ、悪ばかりが世にはびこるのを目にして、世界の生き物すべてを洪水で滅ぼそうと決意します。しかし、正直でまじめだったノアだけは助けることにしました。神ヤハウェはノアに「お前たち一家は、大きな方舟を作り、その方舟に世界中の動物たちのつがい(オスとメス)を乗せ、洪水が引くのを待ちなさい。」と告げます。そのお告げ通り、四十日四十夜、激しい雨が降り続き、地上は大洪水となって、すべての人々を押し流してしまいました。大洪水のあと、ノアは舟からハトを放ちました。そのハトは陸地を探し出し、オリーブの若葉をくわえて船に戻ってきました。そこで、ノアは洪水がおさまったことを知ったということです。
その話を想像すると、はと座の星の輝きが、ノアの見た「希望の光」のようにも思えてきますね。
参考図書:全天星座百科 (藤井旭著/河出書房新社)、 藤井旭の星座と神話 冬 (藤井旭著/誠文堂新光社)
今年の干支は、え~と…
この時期よく目にする「十二支」ですが、ただ毎年動物が割り当てられているものではありません。十二支はもともと大昔の中国で、空の星の動きを観察して生まれた仕組みです。その後、日本に伝わってきて、江戸時代ごろには盛んに使われるようになりました。いまでは毎年の「干支」として使われることが多いですが、昔の人たちは年だけでなく方位や時間を表すためにも十二支を使いました。

まず方位を表すときには、北を「子」、南を「午」といったように、方位を十二支で表していました(図1)。南北をつないだ線を「子午線」というのはこのためです。

そして時間を表すときには、1日24時間を12分割し、十二支を割り当てていました。現在の表記で、23時から1時を「子の刻」とし、その後は2時間ずつ区切って「丑の刻、寅の刻…」と続きます(図2)。すると、11時から13時が「午の刻」になります。お昼の12時を「正午」というのは、午の刻の正中(まん中)だからです。
ところで、「干支」と「十二支」は厳密には違うものです。「干支」は、「十二支」に加えてもう一つのグループである「十干」を組み合わせたものです。「十干」は、甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10個でできています。この十干と十二支を組み合わせて「干支」あるいは「六十干支」などと呼びます。それぞれから一つずつ順番に選んでいくと、「甲子、乙丑、丙寅、丁卯…壬戌、癸亥」と60通りでひと回りします。この60通りの呼び方を年に割り当てたものが、毎年の干支になります。60通りの組み合わせが一周するとまた元の干支に戻ることから、60歳を祝う「還暦」という言葉が生まれました。
今年2026年の干支は「丙午(ひのえうま)」です。かつて丙午は、縁起の悪い年だと考えられていました。「丙午の年に生まれた人は気性が激しくなる」とか、「不幸な目に遭う」といった、ひどい迷信もあったようです。こういった迷信の影響で、前回(1966年)、前々回(1906年)の丙午には、子どもを産む人が大変少なくなってしまったという歴史もあります。 しかし、干支はあくまで星の動きを元にした暦や方位を表す仕組みです。 生まれた年によって、その人の性格や運命が決まることはありません。干支は、昔の人が星の動きを日常に取り入れた知恵の結晶です。迷信に惑わされず、この面白い歴史を学んでみてくださいね!
参考:岡田芳朗「改訂新版旧暦読本」(2015,創元社)
浜松科学館で投映中の番組
冬季(12月20日-1月6日)の期間は、投映スケジュールが土日祝と同じになります。
ご好評いただいているキッズプラネタリウムのほか、
12月26日からは、新番組「天竜浜名湖鉄道 星空紀行」を投映しています!
なお、12月29日-1月3日は年末年始休館です。

【土日祝11:30~】
キッズプラネタリウム
「きらきら☆こんやのおほしさま~ふゆのほし~」

【毎日14:30~】&
【土日祝と冬季13:00~】
プラネタリウム
「天竜浜名湖鉄道 星空紀行」

【土日祝10:30~】
大型映像
「ティラノサウルス」

【毎日15:50~】
大型映像
「ヒーリングアース inJAPAN」

【月1回・大人限定】
夜の科学館 特別投映
「ミュージック・プラネタリウム」
星空と音楽、ちょこっと雑学をお届けします。