当館には、小さな人工林の自然観察園と、芝生や街路樹が生えるサイエンスパークなどの屋外スペースがあり、定期的に自然観察イベントを開催しています。団体様は事前予約いただくことで、昆虫、植物、地衣類、コケ植物などの観察会を体験いただくことができます。
ここでは、過去に開催した団体様向けの「地衣類観察会」の様子をご紹介します。
当館エントランス付近のカフェスペースにて、座学からスタートです。

あまり聞き馴染みのないであろう「地衣類」は、キノコやカビと同じ菌類の仲間で、コンクリートや街路樹など私たちの身の回りにも生息しています。
地衣類はとても小さな生き物。座学の後は、ルーペの使い方を学びます。その後、当館発行の地衣類ガイドブックを片手に野外に移動します。
自然観察園前にある球体の車止め。

表面にオレンジ色の模様がありました。拡大するとどら焼きのような物体の集合体であることが分かります。これは「コウロコダイダイゴケ」という地衣類の一種で、ッどら焼きのような物体は子器と呼ばれる胞子を生産する構造です。

次に自然観察園前のコンクリートのベンチで地衣類を探してみましょう。
黄色のペンキを垂らしたような模様を拡大すると、やはりどら焼きのような子器がありました。しかし、先ほどのコウロコダイダイゴケのどら焼きよりも色が濃いです。こちらは「ツブダイダイゴケ」という別の種類の地衣類です。

自然観察園前の球体の車止めにはコウロコダイダイゴケ、ベンチにはツブダイダイゴケがそれぞれ優占しています。私たちにとってほんの数mしか離れていない環境であっても、地衣類たちが生きる上で大切な要素の違いがあって、棲み分けがなされているのでしょう。
地衣類観察会をとおして、私たちの身の回りに存在する生物多様性の一端を体験することができました。
下記の定員や体験時間はあくまで目安ですので、お気軽にご相談ください。
場所:自然観察園、サイエンスパーク、カフェスペース
定員:1回30名以内
時間:30分~1時間程度(要相談)
観察対象: 昆虫、植物、地衣類、コケ植物