8月の星空案内(2021)

みなさん、こんにちは。浜松科学館天文チームです。
蝉の声が響く猛暑の季節になりました。
ぜひ、静かな夜に体を休めてお過ごしください。
8月の星空案内をお届けします。

8月の星空案内 8月13日はペルセウス座流星群の極大日

8月の星座

2021年8月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています

夕日が沈んで薄明が終わる頃、頭の真上近くに「夏の大三角」が見えてきます。3つの一等星でできるかなり大きな三角形です。
南の空低い位置にはオレンジ色の目立つ星、さそり座の一等星アンタレスが輝いています。
8月12日の夜から13日の朝方にかけて、ペルセウス座流星群がピークを迎えます。今年は月明かりの影響もなく、とても良い条件となっています。たくさんある流星群の中でも、ペルセウス座流星群は三大流星群のひとつ。他の流星群よりも比較的たくさんの流れ星が出現します。
より多くの流れ星を見るコツとしては、街明かりが少なく空が開けた場所で観察すること、15分間程度かけて目を暗さに慣れさせること、空全体を見渡しやすいように寝転んで観察すること(車通りのない安全な場所であること必須!)、短時間であきらめずにできるだけ長い時間観察すること、などが挙げられます。ペルセウス座流星群、ぜひご覧になってみてくださいね。

今月の星座 いて座

いて座

半人半馬ケンタウルス族のケイローンの姿。優しく穏やかな性格で頭も良く、医学や音楽、狩りや予言までをもこなし、賢者と呼ばれていました。
神話に登場する英雄たちの師匠でもありましたが、ある時、教え子のひとり勇者ヘラクレスが他のケンタウルスたちとケンカを始めてしまいます。その争いに巻き込まれたケイローンは、ヘラクレスが放った毒矢に当たってしまったのです。ケイローンは不死身でしたが毒が回った苦しさに耐えられず、大神ゼウスに不死を解いてもらい死を迎えました。ゼウスは才能あふれるケイローンの死を惜しみ、星座として輝くようにしたと言われています。
(文:浜松科学館 天文チーム)

ほうき星のはなし

彗星という天体を知っていますか?尾を引いているように見えるため、その姿から「ほうき星」と呼ばれることもあります。歌詞などでは耳にする機会があっても、それがどのような天体かを意識はしないかもしれません。
彗星は、本体の大きさが数kmから数10kmほどの小さな天体で、太陽の周りを細長い楕円の軌道で公転することが知られています。成分のほとんどは水(氷の状態)でできており、その氷の中には、ガスや砂粒のような小さな塵が閉じ込められています。

そのような特徴から「汚れた雪玉」とも表現される彗星には、“ふるさと”と言われる場所が2つあります。1つは、海王星の軌道の外側でドーナツのような形をしているエッジワース・カイパーベルト。もう1つは、さらに遠くのところでボールのような形で太陽系を覆っているオールトの雲。いずれも氷の天体が無数に集まっている場所です。そこにある天体の中で、惑星の重力など何らかの作用により、太陽系の内側へ向かう軌道に変化したものが彗星だと考えられています。ただこの時点では、ほうき星という名称の由来である尾を引いた姿ではありません。太陽に近づくにつれて、表面の氷が溶け、閉じ込められていたガスや塵が放出されます。それらが彗星の尾のように見えているのです。

オールトの雲とエッジワース・カイパーベルト

有名な彗星の1つであるハレー彗星は、およそ75 年ごとに太陽に近づく周期をもっています。前回地球に最接近したのは、浜松科学館が開館した1986 年です。当館の旧シンボルマークは、その頃話題になっていたハレー彗星をモチーフにしたものでした。ちなみにハレー彗星が次に地球に接近するのは、ちょうど40年後の2061年7月とされています。
現在投映している生解説プラネタリウム「流れ星ってなに?」
でも、彗星の話題に触れていますので、ぜひお見逃しなく!

1986年3月9日に浜松市天文台で撮影されたハレー彗星
旧ロゴ
浜松科学館旧マークはハレー彗星がモチーフ

浜松科学館で投映中の番組

流れ星ってなに?

その他投映中の番組

  • ムシムシ昆虫プラネット
  • オーロラの調べ
  • STAR FLIGHT

関連記事