6月の星空案内(2022)

みなさん、こんにちは。浜松科学館天文チームです。
6月も終わりとなり、暑い夏の兆しが見え始めましたね。
6月の星空案内をお届けします。

6月の星空案内:春の星座と夏の星座が楽しめます

6月の星空

2022年6月 上旬:22時ごろ 中旬:21時ごろ 下旬:20時ごろ
惑星の位置は中旬ごろを目安にしています

この時期は、春の星座と夏の星座を楽しむことができます。6月初めには、まだ空の高いところに春の星座が見えていますが、次第に南西の空に傾き、見頃は夏の星座へと移っていきます。東の空からは、こと座の一等星「ベガ」が昇ってきています。白く輝き、とても明るい星なので探してみてください。

また、明け方の空には、惑星が並びます。南の空から東の空にかけて土星・海王星・木星・火星・天王星・金星・水星が順に昇ります。土星・木星・火星・金星は明るいので、肉眼でもよく見えますよ。

今月の星座:かに座

かに座
【出典】88星座図鑑

かに座は黄道12星座の1つです。星占いの星座として知られていますね。
ギリシャ神話では、かに座は巨大な化けガニ、カルキノスという名前で登場してきます。
カルキノスはレルネアの泉に住む怪物ヒドラの友達でした。ある日、勇者ヘラクレスがヒドラを退治しに泉にやってきます。ヒドラが追いつめられる様子を見て、カルキノスが加勢します。自慢の大きなハサミで攻撃しますが、怪力のヘラクレスには全く効き目がありません。カルキノスは一撃で倒されてしまいました。
これを見ていた神様は友達思いの勇敢なカニを天に上げ、星座にしたと言われています。
(文:浜松科学館 天文チーム)

雨が降る天体

梅雨の時期になりましたね。皆さんは雨の日をどのようにお過ごしでしょうか。

さて、質問です。地球以外にも雨が降る星はあるでしょうか?答えは「Yes」です。ただし地球のような水を主とする雨が降る星は少なく、私たちからすると意外な物質が降る星が多く存在しています。

例えば土星の衛星「タイタン」ではメタンの雨が降ります。メタンは、地球では主に燃料ガス(都市ガス)として用いられており、常温では気体の状態です。メタンを輸送する際は、-162℃以下に冷やして液体にしたものを専用のタンクに入れて運びます。そのため、地球上で液体のメタンを見ることはほとんどありません。一方、タイタンの地表温度は-180℃程で、メタンが常に液体で存在できる温度です。これまでの観測で、タイタンにはメタンの湖があること、窒素やメタンを含む大気があることが判明しています。湖で蒸発したメタンは上空で冷やされ、再び雨となって降ってくると考えられています。

タイタン(©️NASA/JPL/Space Science Institute)

太陽系7番目と8番目の惑星「天王星」「海王星」は氷惑星と呼ばれています。これらの惑星内部は高い圧力のため、ダイヤモンドができる環境であると考えられています。形成されたダイヤモンドの粒子が、氷の層の中をゆっくりと沈み込んでいくと言われています。
太陽系外の天体「WASP-76b」の大気には鉄を含む蒸気が存在し、昼と夜の境目では温度差によって鉄蒸気が固体になり、鉄が雨のように降り注ぐと考えられています。

天王星(©️Greg Stewart / SLAC / National Accelerator Laboratory)
WASP-76b(©️ESO/M.Kornmesser)

いずれにしても、私たちからみたら過酷な環境です。これらの天体と比べると、地球の雨はやさしい雨と言えますね。

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