今月の星空(2024年1月)

浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

天文台からのコメント:元旦に太陽が昇ることを「初日の出」と呼びますね。初日の出を拝み、目標を立てて新年を気持ちよく迎える。いいですね。あまり意識をしていないかもしれませんが、天体と共に新年をスタートしているということです。力強く輝く太陽も、きらきら輝く冬の星空たちも、きっとみなさんに力をくれるはずです。今年もよろしくお願いいたします。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト

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1月の星空案内 オリオン座としぶんぎ座流星群

1月の星空

2024年1月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ

冬の星空は明るい星が多く、星座を見つけやすいです。実際の空と星図を見比べながら星を繋いで、星座を見つけてみましょう。

冬の星座で有名なものにオリオン座があります。オリオン座は20時ごろ、南東の空に見えています。三つ並んだ星たちを目印にすると探しやすいです。三つ並んだ星の少し東側にある赤っぽくて明るい星が、ベテルギウスです。数年前この星と同じ名前の「ベテルギウス」という曲が流行し、名前を知っている人が増えてきました。このベテルギウスと、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンを繋いで、冬の大三角が出来上がります。

毎年1月の初め、お正月の時期には「しぶんぎ座流星群」があります。お正月の運試しに流れ星を探してみるのも面白いでしょう。4日と5日のそれぞれ深夜から未明がおすすめです。

明るい星たちの中には、惑星も紛れ込んでいます。かなり明るい木星がおひつじ座の近くにあります。とても明るいので、夕方ごろからでも見つけることができるかもしれません。一番星探しに挑戦してみましょう。

冬の星空は明るい星が多く、見ごたえがあります。
寒さ対策を万全にして楽しみましょう。

おおいぬ座

おおいぬ座

シリウスまでの距離は 8.6 光年。太陽系から近い恒星の順でも上位に入る距離です。おおいぬ座は、シリウスをはじめとして明るい星々が見事に犬の形にならんでいます。古代より、シリウスは単独で注目されていた星でした。おおいぬ座の形がつくられてきたのはそれよりも後のことだと考えられています。おおいぬ座の犬はオリオンの猟犬とかイカリオス王の忠犬メーラとか、様々な伝説が残ってます。ここでは、月と狩りの女神アルテミスの侍女プロクリスが飼っていた名犬レラプスのお話を紹介します。
あるとき大きなキツネが出没して家畜などに被害を出していました。この大ギツネは風のようにすばしっこく逃げ回るので誰にも捕まえることができませんでした。困った人々はプロクリスが女神アルテミスから譲り受けた名犬レラプスなら悪い大ギツネ退治ができるのではないかと考え、キツネ退治を頼みます。レラプスは大ギツネを追い詰めますが、大ギツネはひらりひらりと身をかわして逃げ回り、お互いにぐるぐる輪を描いて回るばかりで、決着が付きませんでした。これを天界から見ていたゼウスは、この二匹のすばらしい動物たがお互いに傷つけ合うことを恐れ、二匹を石に変えてしまいました。そして、後にレラプスは天に上げられ、星座になったということです。

(参考図書:藤井旭の星座と星座神話「冬」:藤井旭著:誠文堂新光社)

過去を見上げて

新年早々、“過去を振り返る”ということはしたくないかもしれませんね。
しかし、夜空を眺めることは、過去を振り返ることと同じようなものなのです。

寒い日は、日が差す場所を探して歩きたくなりますね。太陽はこんなにも暖かいものかと、その恵みに感謝する瞬間でもあります。この時、私たちは“過去の光”を浴びているのです。
地球から太陽までの距離は約1億5000万㎞です。太陽から放たれた光は、この距離を秒速30万㎞で進み、およそ8分20秒後に地球に届きます。この世で一番速く進むといわれる光でも、それほどの時間がかかってしまいます。こうしたタイムラグにより、私たちは常に8分20秒前に太陽から放たれた光を浴びているということになるのです。

太陽と同じ恒星の1つで、ベテルギウスという星があります。オリオン座の赤く輝く1等星です。赤い星は、いわばお年寄りの星で、いつ寿命を迎えてもおかしくない星だといわれています。重い恒星は寿命が訪れると爆発をしますが、もし今、ベテルギウスが爆発をしたとしても、私たちは同じ瞬間にそれを知ることはできません。ベテルギウスは約530光年離れたところで光っているため、その光が届くのには530年かかるからです。
つまり、星の輝きはすべて過去の光です。私たちは過去の光を見つめながら星座を探したり、その光に癒されたりしているのです。

さて、ベテルギウスが爆発してしまったら、オリオンの右肩の星が失われることになります。神話のように、オリオンがこん棒を振り上げて威張ることはなくなるかもしれません。
みなさんは未来の空に、どんなオリオンの姿を描きますか?

ベテルギウスが超新星爆発をすると、昼間も見える明るさで数ヶ月間、光り続けると考えられている。

[参考]
・Kavli IPMUカブリ数物連携宇宙研究機構 https://www.ipmu.jp/ja/20210204-Betelgeuse
・sorae https://sorae.info/astronomy/20201019-betelgeuse.html

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