今月の星空(2024年5月)

 浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

天文台からのコメント:5月の和名は「皐月」です。田植えの月という意味の早苗月(さなえつき)が早月(さつき)になったそうです。
「さつき」といえば、サツキとメイの姉妹が登場する「となりのトトロ」を思い出します。この二人がお父さんと一緒に、お母さんのお見舞いに行ったのは、田植え休みの日でした。
風が気持ちよくなり、夜も寒さを感じなくなってきます。春の星空を楽しみませんか。
(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト

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5月の星空案内 春の星空と星座

2024年5月 上旬:21時ごろ 中旬:20時ごろ 下旬:19時ごろ

春の星座たちがより見やすくなってきています。
おおぐま座の尻尾にあたる北斗七星からカーブを描いて、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカとつながっていくのが「春の大曲線」。そして、うしかい座のアークトゥルスとおとめ座のスピカは、しし座のデネボラとつなげて「春の大三角」にすることもできます。
春の大曲線をさらに南に向かって伸ばしていくと、少し暗い星がゆがんだ四角を作っているところがあります。そこにあるのが、からす座です。ギリシャ神話では、太陽の神アポロンに仕えたカラスとして語られています。
6日の朝6時ごろ、みずがめ座η流星群が極大になります。流星群の見ごろは5日6日の未明~夜明け前が良いでしょう。連休中、流れ星探しに挑戦してみましょう。
明け方、南東の空には土星が見られるようになります。4日、31日には月と土星が並んで見えます。

からす座

からす座

スピカの西、明るい星の少ないところに3等星で作られる四角形を探してみましょう。案外、見つけるのは難しくありません。その四角形が「からす座」です。からす座の四角をなす星は、カラスをはりつけにした際に刺した4つの「くぎ」と言われています。
からす座になっているカラスは、太陽の神アポロンに使えていたカラスでした。カラスと言っても白銀の美しい羽根をもち、人間と会話ができたということです。アポロンは、テッサリア王の娘コロニスを愛し、幸福に暮らしていました。ところが事情があって離れて暮らすことになりました。アポロンは、コロニスを安心させるためにカラスに使いをさせて様子を知らせることにしたのです。カラスは毎日二人の間を往復して、それぞれの出来事を伝えたり、伝言をしたりしていました。ところが、ある日カラスは道草をしてしまい、気が付くとずいぶん時間が経ってしまっています。カラスはいいわけに「コロニスは、他の男に心を移してしまっています。」とうそをつきます。怒ったアポロンは急いで我が家に向かい、家の近くに見えた人影を一矢で射殺してしまいました。 近寄ってみると、それは妻コロニスだったのです。アポロンはひどくなげき、うそをついたカラスから人間の言葉をうばいとり、カアカア鳴くだけの真っ黒な醜い姿に変えました。そうして、見せしめのために星座として空にあげたということです。
このカラスは、すぐ隣のコップ座の水を飲もうとしても届かず、いつも渇きに苦しめられているとも言われています。
<参考> ・「全天星座百科」藤井旭著:河出書房新社

『視界良好!宇宙の窓が開かれる季節』

雲一つない夜空を見て、今日は宇宙の見通しが良いと感じたことはありますか?
今回は地球の中の話ではなく、銀河のスケールでお話します。私たちは天の川銀河という銀河の中に住んでいます。天の川銀河は約2,000億個の星の集団です。
天の川銀河は渦巻の円盤状をしています。見る角度によって渦巻の形に見えたり、どら焼きを横から見たような形に見えたりします。そして太陽系は中心から約3万光年離れた場所にあります。
太陽系から円盤に対して水平方向に見たときと垂直方向に見たときの様子を考えて、比べてみましょう。水平方向に見たときは、天の川銀河の星が密集してぶ厚く重なっているため、見通しが悪くなっています。密集した星が空に流れる川のように見えるため「天の川」と呼ばれます。その一方で、垂直方向に見たときは、すぐに銀河の外の景色が広がっているため、見通しが良いと言えます。太陽系は天の川銀河の円盤に対して約60°傾いています。そのため地球の北半球では、春と秋の季節に夜空を見上げると、天の川銀河の円盤を垂直方向に見ることができます。春と秋は天の川があまり見えない期間であり、そのぶん遠くまで宇宙が見渡せるということです。遠い銀河を観測するうえでは、春と秋が良い時期なのです。さらに、春の夜空が広がる方向には、おとめ座銀河団、かみのけ座銀河団があります。

一般的には、地球の夜の面が銀河の中心方向を向く夏が天の川が濃くみられて魅力的です。その一方で、一部の銀河を専門にしている天文学者にとっては、春が一番盛り上がる季節なのです。

▲天の川銀河と太陽系の位置関係(Credit:国立天文台 天文情報センター)
▲天の川銀河と太陽系の位置関係
(Credit:国立天文台 天文情報センター)

[参考]
国立天文台

浜松科学館で投映中の番組

  • 花と星めぐり
    プラネタリウム
    「浜名湖花博2024特別投映 花と星めぐり」
  • キッズプラネタリウム
    「きらきら☆こんやのおほしさま」
  • すみっコぐらし
    大型映像
    「すみっコぐらし ひろい宇宙とオーロラのひかり」
  • 夜の科学館 特別投映
    夜の科学館 特別投映
    「天井絵画の世界へようこそ」
    (Collection:Highsmith (Carol M.) Archive)

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