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今月の星空

今月の星空(2026年7月)

浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

 いよいよ夏本番!浜松も暑くなってきましたね。7月の和名「文月」は、短冊に願いを書いたことが由来と言われています。夜空を見上げれば、天の川を挟んで織姫星のベガと彦星のアルタイルがまばゆく輝き、絶好の天の川シーズンが始まります。心地よい夜風を感じながら、賑やかな夏の夜空をのんびり眺めてみませんか?(文:浜松市天文台)

浜松市天文台のWebサイト

7月の星空案内

 春の大三角は西へ傾き、しし座の頭のあたりは見つけにくくなっています。一方で東の空からは夏の大三角が昇ってきています。南の空にはさそり座のアンタレスが赤く輝きます。
 「赤い目玉のさそり」といえば宮沢賢治の「星めぐりの歌」の歌いだしですが、さそり座の赤い星アンタレスは目玉というより、むしろ体のまん中あたりの星として描かれることが多いです。本や資料、プラネタリウムの解説では、「サソリの心臓」と表現されることもしばしば……。とはいえ、実際にアンタレスをじっと眺めていると、確かに心の中ではアンタレスがサソリの目玉のような気がしてくるものです。空に描かれた大きなサソリが、赤い目玉をこちらに向け、じっと睨んでいるような感覚を宮沢賢治も味わっていたのかもしれません。皆さんもぜひ、アンタレスを探してみてください。

はくちょう座

 夏の夜空、天の川に大きな翼を広げる「はくちょう座」は、その十字の並びから「北十字星」とも呼ばれる、プトレマイオスが定めた48の星座の一つです。ギリシャ神話では、大神ゼウスがスパルタの王妃レダに恋をし、姿を変えて会いに行った白鳥の物語が今に伝えられています。

 また、この星座は宮沢賢治の童話『銀河鉄道の夜』の舞台としても有名です。作中では「白鳥の停車場」が登場し、ジョバンニたちは車窓からサファイアとトパーズのように美しくきらめくアルビレオの姿を眺めます。同時にそこは、天の川の流れの速さを測定する「アルビレオの観測所」としても描かれています。
 白鳥の尾にあたる一等星「デネブ」は、夏の大三角を形成する星の一つです。地球からの距離は約1,400光年と、他の二つの星(ベガ約25光年、アルタイル約17光年)に比べて極めて遠方に位置しています。それにもかかわらず夜空で明るく輝いているのは、太陽の約20倍の重さをもつ超巨星で、表面温度は約10,000℃に達しているためです。
 白鳥のくちばしに位置する「アルビレオ」は、全天で最も美しい二重星の一つです。望遠鏡で見ると、オレンジ色に見える三等星と、エメラルド色に見える五等星が寄り添う姿を観測できます。街明かりの中でも、デネブを中心とした十字の形は比較的容易に見つけることができます。天の川に浮かぶ白鳥の姿を、物語に描かれた世界や星のデータと共に楽しんでみてください。
 参考図書:全天星座百科 (藤井旭著/河出書房新社)

次はいつ会える? 太陽系の旅人さん

 このマークを知っていますか?これは浜松科学館が2019年にリニューアルする前に使っていたマークです。マークに描かれているのは、科学館が開館した1986年に地球に接近していた「ハレー彗星」です。エドモンド・ハレーという天文学者が詳しく研究した彗星なので、彼の名前がついています。

 40年前、実際にハレー彗星を見た方もいらっしゃるのではないでしょうか。残念ながら見逃してしまった方、まだ生まれていなかった方、安心してください。ハレー彗星はまた戻ってきます。同じ場所に戻ってくるまでにかかる時間のことを周期といいますが、ハレー彗星の周期は約76年*です。次にハレー彗星が地球に近づくのは2061年の夏ごろです。彗星の中には数十万年、数百万年かけて同じ場所に戻ってくるものや、なんと二度と同じ場所に戻ってこない彗星もあります。そう考えるとハレー彗星が戻ってくるまでの35年間もあっという間な気がしてきませんか?

 彗星はどこからやってくるのでしょうか?彗星の起源として有力な場所が2つあります。一つは、海王星の軌道よりもさらに遠いところにある「エッジワース・カイパーベルト」。穴の開いた円盤状に小さな天体が散らばっている場所です。もう一つは、さらに遠くで太陽系を取り囲むようなカプセル状に小さな天体が散らばっていると考えられている「オールトの雲」という領域です。ここでいう「小さな天体」とは主に氷でできていて、わずかに岩石質のちり(小石や砂粒のようなもの)を含んだ、「氷とちりのかたまり」です。
 エッジワース・カイパーベルトやオールトの雲にあった小さな氷とちりのかたまりが、太陽・惑星の引力に引きよせられ、太陽系の中心近くに落ちてきます。そして、太陽の光を受けて氷が溶けだし、ちりやガスを噴き出し長い尾やコマを作り、彗星になっていると考えられています。

 彗星は、太陽系の遠いところから太陽の近くまで旅をするように移動することから、「太陽系の旅人」と呼ばれることがあります。そんな太陽系の旅人と一緒に惑星を見て回ったら、どんな気分なのでしょうか?プラネタリウムでは1986年にやってきたハレー彗星と一緒に太陽系を一周するプラネタリウム「彗星と行く!太陽系一周ツアー」を投映します。宇宙から見た太陽系の姿をぜひご覧ください!

*NASA/JPL(ジェット推進研究所)「small-bodydatabase」を参照。周期は変化することがあります。
参考:国立天文台「彗星」https://www.nao.ac.jp/astro/basic/comet.html

浜松科学館で投映中の番組

7月は12日までと、14日からでプログラムが切り替わります!
12日までは「七夕の星と物語」、14日からは「彗星と行く!太陽系一周ツアー」に変わります!

また、7月18日からは【夏期】として、平日でも土日祝日と同じスケジュールでプラネタリウムを行います!

そのほか、ご好評いただいているキッズプラネタリウムでは季節ごとに見られる星座を紹介しています。
一度来てくれたみなさまも、ぜひまたプラネタリウムに来てみてくださいね!
満天の星々が皆さまをお待ちしています!

※7月12日(日)まで※
【平日 14:20~】&
【土日祝日 13:00~, 15:40~】
プラネタリウム
「七夕の星と物語 ~さあ行こう!天の川の向こうへ~」

※7月14日(火)から※
【平日 14:20~】&
【土日祝日・夏期 13:00~, 15:40~】
プラネタリウム
「彗星と行く!太陽系一周ツアー」

【土日祝日・夏期 11:30~, 14:20~】
キッズプラネタリウム
「きらきら こんやのおほしさま ~なつのほし~」