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今月の星空

今月の星空(2026年9月)

浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。

 少しずつ夜風が涼しくなり、秋の気配を感じる9月。今月の一大イベントといえば、やっぱり「中秋の名月(お月見)」です。お月様が1年で一番きれいに見える季節、いつもより少しのんびりとお団子を食べながら、満月を眺めてみるのはいかがでしょうか?虫の音をBGMに、秋の夜長を贅沢に楽しんでみてください。(文:浜松市天文台)

浜松市天文台のWebサイト

9月の星空案内

 夏の大三角がまだまだ見ごろです。夏の大三角は夏の暑さと同じように、秋になってもしばらく残ります。西の空へ動いてようやく沈んでいくのは12月の初め頃です。
 秋の四辺形をはじめとした秋の星も見えるようになってきました。南の空にはフォーマルハウトも見えてきています。
 今年はうお座のあたりに土星も輝いています。土星が太陽の周りを一周回って元の場所に戻ってくるまでにかかる時間(公転周期)は約30年です。約30年かけて星空の星座の間を少しずつ移動していくように見えます。来年の土星は、今年の土星が見える方向より少し東側にずれているはずです。

やぎ座

 南の空に小さな星が逆三角形をつくる「やぎ座」は、プトレマイオスが定めた48星座の一つです。ギリシア時代には人間が昇天するときの入り口とみられ、「神々の門」ともよばれていました。また、この星座のσ星(シグマ)の近くは、1846年にフランスのルベリエとイギリスのアダムスが計算で予言した海王星が、ドイツのガルレによって発見された歴史的な場所でもあります。

 神話では、森と羊と羊飼いの神パンの姿が伝えられています。神々がナイル川の岸辺で酒宴を開いていたとき、怪物テュフォンが突如現れました。驚いたパンは大慌てで魚に変身して川へ飛び込みましたが、あまりに慌てふためいていたため、水から出ていた頭は山羊のまま、水に浸かった下半身だけが魚という奇妙な「魚山羊」の姿になってしまったといわれています。
 見どころとしては、山羊の頭の部分にある「肉眼二重星」のα星(アルファ)のペアが挙げられます。二つの星がごく接近しているものを二重星と呼び、やぎ座の頭にもそれがあります。3.6等の星と4.2等の星がありますが、その間隔は6.3分角です。これは満月の直径の5分の1ほど離れているため、夜空が暗い場所であれば肉眼でも二つの星を見分けることができます。
 参考図書:全天星座百科 (藤井旭著/河出書房新社)

月のクレーター

 9月は月に注目が集まる時期です。今回は、月のクレーターについて深堀りしましょう。望遠鏡で月を見ると、無数のクレーターを確認できます。大気がない月は小天体が落下してくるとそのまま地面まで到達します。そして落下の衝撃で地面が凹み、クレーターとなります。地球は大気があるため、小天体は地面に到達する前に消滅することがほとんどです。地球と月、近くにあるのに、大気の有無でここまで地面の様子が異なるのです。「こんなに隕石がぶつかって月は痛くないのかな?」と思ってしまいますが、変化に富んだ地形を楽しむことができるのもまた事実。クレーターの無いのっぺりとした月面だとしたら、望遠鏡でのぞく機会も多くなかったはずです。


 さて、“クレーター”はギリシャ語でコップやお椀を表します。ガリレオ・ガリレイが望遠鏡で月を見た時、凹んだお椀のような地形が無数にあることを発見し、クレーターと名付けました。クレーターの数はこれまでの研究で10万個以上あることが分かりました。クレーターの中で最も大きいのは、月の南極にあるエイトケン盆地で、直径約2,500kmもあります。
 多くのクレーターができたのは月ができたころ(太陽系誕生と同じ時期)で、46億年前~40億年前と考えられていますが、月は絶えず隕石の衝突にさらされています。古いクレーターの上に隕石が衝突して、新しいクレーターができることもあるでしょう。または巨大な隕石が衝突して古いクレーが無くなってしまうこともあるでしょう。ある一定の範囲のクレーターの数を数えて多ければ古い地質、少なければ新しい地質とする月の地質の年代を測定する方法があります。これに月探査機(アポロ、ルナ、嫦娥(じょうが))が採取した月の岩石の年代を調べて照らし合わせると、より確かな年代を知ることができます。その中で、今から約8億年前には分裂した小惑星のかけらが落下する「小惑星シャワー」が起こったという研究があります。このとき地球にも隕石が降り注いだに違いありません。地球は風化によってクレーターのようなはっきりとした痕跡はありませんが、8億年前を境に、生命活動に影響を及ぼす「リン酸」が海中で増加していたことが別の研究で分かっています。つまり、小惑星シャワーが地球環境を変化させた可能性があるのです。月のクレーターを調べているうちに、太古の地球を知ることができる…。クレーターは宇宙のタイムカプセルでもあるのですね。

参考・引用
月のきほん (白尾元理著/誠文堂新光社)、世界でいちばん素敵な 月の教室(塩見正孝発行/三才ブックス)、
大阪大学 ポータルサイトResou「8億年前、月と地球を襲った小惑星シャワー」、
月探査情報ステーション、中国地質科学院地質研究所 最新の月面地質図、
Lunar impact crater identification and age estimation with Chang’E data by deep and transfer learning

【特別企画】作って楽しい「ミニ惑星図鑑」プレゼント中!

プラネタリウム「彗星と行く!太陽系一周ツアー」でも使用している惑星の解説を おうちでもまた見られるように、つくって楽しい「ミニ惑星図鑑」を配布しています!
館内3階で配布しているほか、以下よりデータをダウンロードして印刷していただくこともできます。

ご自宅等で印刷された場合は以下の手順で作ってみましょう!
⓪印刷する。
A3サイズがおすすめ、少し小さくなりますが、A4サイズでもOK
①余白を切り取り、真ん中の青い線にそって切れ目を入れる。
※刃物を使うときはケガをしないように気をつけて※
②白い線を山折り、白い点線を谷折りする。
③画像のようにたたんで、表紙が表にでるようにすると……
④出来上がり!

「ミニ惑星図鑑」では、各惑星の画像とともに、各惑星の直径・主な成分・表面の温度といったデータをまとめています。
以下にそれぞれのデータの引用元・参照元を掲載します。
なお、画像の引用元は「ミニ惑星図鑑」内に記載しています。

「直径」については「理科年表」2023年版のp78「太陽、惑星および月定数表」から赤道半径を参照し、直径にするため2をかけた値にしています。
なお、簡単のため、小数第一位を四捨五入し、整数の値にしています。
例えば、水星の赤道半径は2439.4 kmと記載があるため、直径は2439.4 × 2 = 4878.8 ~ 4879 (km)。
また、「地球のn倍くらい」の表記は、各惑星の赤道半径を地球の赤道半径で割った値を使い、必要に応じて四捨五入をしています。
特に火星については簡単のため「地球の半分くらい」という言葉をつかっていますが、数値としては3396.2 ÷ 6378.1 = 0.5324…となります。

「表面の温度」に関してはそれぞれ引用・参照している媒体が異なります。
水星は水星磁気圏探査機みおのwebページ(https://mio.isas.jaxa.jp/mercury/)に掲載されている値を引用しています。
金星は金星探査機あかつきのwebページ(https://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/venus_j.html)に掲載されている値を引用しています。
地球は「理科年表」2023年版のp87「主な太陽系天体の大気組成」の表より288 K ~ 15 ℃としています。
火星はNASAのwebページ(https://science.nasa.gov/mars/facts/)内「Atomosphere」に記載があります。最高温度・最低温度を引用しています。
木星・土星・天王星・海王星はNASAのhttps://science.nasa.gov/resource/solar-system-temperatures/の値を引用しています。(※引用元に記載の通り、厳密には地球の海面に相当する気圧の大気層の温度となっています。)

「主な成分」の欄や、各惑星の特徴について記載している部分はいくつかの本やwebページを参照し、情報をまとめています。
例えば、「木星・土星ガイドブック」(鴈弘道,恒星社厚生閣)、NASAの惑星についてまとめたwebページ(https://science.nasa.gov/solar-system/planets/)や、日本天文学会によるwebページ「天文学辞典」(https://astro-dic.jp/)などを参照しています。

浜松科学館で投映中の番組

9月19日からはプラネタリウム「月がきれいな夜に話したい3つのこと」を投映します!
※「彗星と行く!太陽系一周ツアー」は9月18日までの投映です。

そのほか、ご好評いただいているキッズプラネタリウムでは季節ごとに見られる星座を紹介しています。
夏休みやゴールデンウィークに来てくれたみなさまも、ぜひまたプラネタリウムに来てみてくださいね!
満天の星々が皆さまをお待ちしています!

※9月8日から11日はプラネタリウムのメンテナンスのため休館です。
※シルバーウィークはもちろん開館しています!24日は休館日です。

※9月18日まで
【平日 14:20~】
【土日祝 13:00~, 15:40~】
プラネタリウム
「彗星と行く!太陽系一周ツアー」

※9月19日から
【平日 14:20~】
【土日祝 13:00~, 15:40~】
プラネタリウム
「月がきれいな夜に話したい3つのこと」

【平日 15:40~】
【土日祝 10:30~】
プラネタリウム「星空マルシェ」
当日夜の星空のご案内に加えて、解説員ごと・時期ごとに違う天文の話題をお話しします。

【土日祝のみ 11:30~, 14:20~】
キッズプラネタリウム
「きらきらこんやのおほしさま~あきのほし~」