浜松科学館では、浜松市天文台と共同で毎月の星空をお届けする1枚冊子「星空案内」を発行しています。本ブログで、その内容を一部公開いたします。
夏休み真っ盛りの8月は、ちょっぴり夜更かししても大丈夫な特別な季節ですね。今月は、夜空を横切るたくさんの流れ星に出会える「ペルセウス座流星群」が見頃を迎えます。さらに、8月は昔ながらの「伝統的な七夕(旧七夕)」を迎える時期でもあります。夏の思い出に、みんなでじっくり夜空を眺めてみませんか?(文:浜松市天文台)
浜松市天文台のWebサイト
8月の星空案内

星座の中でも有名なのが「黄道十二星座」。いわゆる星座占いの星座たちです。この時期はさそり座・いて座あたりが見ごろです。
太陽の見える位置は約1年かけて星座たちの間を移動します。このときの太陽の通り道のことを「黄道」といいます。黄道十二星座は名前の通り、この黄道のまわりにある12個の星座のことです。
では、左の星図でさそり座・いて座を探してみましょう。かなり外側にありますね。これは空の端の方、つまり空の低いところに見えることを表しています。
ところで、今の季節は見えませんが、冬になるとふたご座が見えるようになります。そのとき、ふたご座は空の高いところに見えます。どうして黄道十二星座の見える高さが変わるのでしょうか。…ヒントは「黄道は太陽の通り道」です。
こと座・わし座

夏の夜空で見上げる「夏の大三角」のうち、二つの頂点を形作るのが「こと座」と「わし座」です。これらの星座にある星は、日本では七夕の「織女星(織姫)」と「牽牛星(彦星)」として古くから親しまれてきました。
こと座には、音楽の名手オルフェウスの悲しい神話が伝わっています。彼が亡き妻を慕って奏でた美しい竪琴は、彼の死後、大神ゼウスによって星空にあげられ「こと座」となりました。一等星ベガのそばには、双眼鏡で二重星、望遠鏡で覗くと二重星がさらに分かれて見える「ダブル・ダブルスター」があります。また、太陽くらいの重さの星の比較的おだやかな姿で、太陽の将来像ともいわれるガスが丸く広がった「環状星雲M57」も望遠鏡で見ることができます。
一方、わし座で輝く「アルタイル」は、天の川を挟んで「ベガ」と対をなすように輝く一等星です。ギリシャ神話に登場するこの鷲は、ゼウスの身辺を離れず、雷電の矢をたずさえている大きな黒鷲とされています。別の神話では、ゼウスが宮殿の酒宴でお酌をさせるため、美少年ガニメデスをさらったときに変身した姿ともいわれています。かつての古星図には、鷲が少年をさらう姿が描かれていました。
並んで昇る二つの星座を、切ない神話や特徴的な天体、そして古星図に広がる物語に思いを馳せながら楽しみましょう。
参考図書:全天星座百科 (藤井旭著/河出書房新社)
エルニーニョ現象
「エルニーニョ現象」とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象です。エルニーニョ発生の条件は、平年の海水温より、0.5℃以上高くなった状態が維持されることです。0.5℃というと、わずかな差のように感じますが、空気と違い水は熱を蓄える量が多いため、周囲に与える影響は長く大きくなります。
エルニーニョが発生する原因は「貿易風」と言われています。貿易風は低緯度帯で常に東から西に向かって吹く風です。これは、地球の自転に対して上空の空気が追いつけず、置き去りにされた空気が、地上に居る私たちに常にぶつかっているようなものです。太平洋では、貿易風によって水面の暖かい海水が西に流され、インドネシアやオセアニアの海域に溜まります。一方、南米側の海底からは冷たい海水が上がり、海面温度は西域に比べて低いです。しかし、何らかの原因で、貿易風が弱くなることがあります(貿易風が弱くなる原因はよく分かっていません)。すると、暖かい海水が、南米側まで広がります。それに伴い、異常気象や不漁が引き起こされるのです。
もともと、ペルー北部の漁民が、毎年12月頃に現われる海水温の上昇のことを「エルニーニョ」と呼んでいました。エルニーニョは「幼子イエス・キリスト」を指しています。この言葉が、次第に数年に一度起こるペルー沖の高水温現象の意味で使われるようになりました。そして今年はエルニーニョ現象が発生しています。エルニーニョの時、日本では、冷夏や暖冬傾向にあります。しかしながら、地球温暖化により普段の気温が底上げされています。この夏の天候は新たな局面を迎えているのかもしれません。
【特別企画】作って楽しい「ミニ惑星図鑑」プレゼント中!
プラネタリウム「彗星と行く!太陽系一周ツアー」でも使用している惑星の解説を おうちでもまた見られるように、つくって楽しい「ミニ惑星図鑑」を配布しています!
館内3階で配布しているほか、以下よりデータをダウンロードして印刷していただくこともできます。


ご自宅等で印刷された場合は以下の手順で作ってみましょう!
⓪印刷する。
A3サイズがおすすめ、少し小さくなりますが、A4サイズでもOK
①余白を切り取り、真ん中の青い線にそって切れ目を入れる。
※刃物を使うときはケガをしないように気をつけて※
②白い線を山折り、白い点線を谷折りする。
③画像のようにたたんで、表紙が表にでるようにすると……
④出来上がり!
「ミニ惑星図鑑」では、各惑星の画像とともに、各惑星の直径・主な成分・表面の温度といったデータをまとめています。
以下にそれぞれのデータの引用元・参照元を掲載します。
なお、画像の引用元は「ミニ惑星図鑑」内に記載しています。
「直径」については「理科年表」2023年版のp78「太陽、惑星および月定数表」から赤道半径を参照し、直径にするため2をかけた値にしています。
なお、簡単のため、小数第一位を四捨五入し、整数の値にしています。
例えば、水星の赤道半径は2439.4 kmと記載があるため、直径は2439.4 × 2 = 4878.8 ~ 4879 (km)。
また、「地球のn倍くらい」の表記は、各惑星の赤道半径を地球の赤道半径で割った値を使い、必要に応じて四捨五入をしています。
特に火星については簡単のため「地球の半分くらい」という言葉をつかっていますが、数値としては3396.2 ÷ 6378.1 = 0.5324…となります。
「表面の温度」・「温度」に関してはそれぞれ引用・参照している媒体が異なります。
水星は水星磁気圏探査機みおのwebページ(https://mio.isas.jaxa.jp/mercury/)に掲載されている値を引用しています。
金星は金星探査機あかつきのwebページ(https://www.jaxa.jp/countdown/f17/overview/venus_j.html)に掲載されている値を引用しています。
地球は「理科年表」2023年版のp87「主な太陽系天体の大気組成」の表より288 K ~ 15 ℃としています。
火星はNASAのwebページ(https://science.nasa.gov/mars/facts/)内「Atomosphere」に記載があります。最高温度・最低温度を引用しています。
木星・土星・天王星・海王星はNASAのhttps://science.nasa.gov/resource/solar-system-temperatures/の値を引用しています。(※引用元に記載の通り、厳密には地球の海面に相当する気圧の大気層の温度となっています。)
「主な成分」の欄や、各惑星の特徴について記載している部分はいくつかの本やwebページを参照し、情報をまとめています。
例えば、「木星・土星ガイドブック」(鴈弘道,恒星社厚生閣)、NASAの惑星についてまとめたwebページ(https://science.nasa.gov/solar-system/planets/)や、日本天文学会によるwebページ「天文学辞典」(https://astro-dic.jp/)などを参照しています。
浜松科学館で投映中の番組
8月31日までは【夏期】として、平日でも普段の土日祝日と同じスケジュールでプラネタリウムを行っています!
そのほか、ご好評いただいているキッズプラネタリウムでは季節ごとに見られる星座を紹介しています。
一度来てくれたみなさまも、ぜひまたプラネタリウムに来てみてくださいね!
満天の星々が皆さまをお待ちしています!
【夏期 13:00~, 15:40~】
プラネタリウム
「彗星と行く!太陽系一周ツアー」

【夏期 11:30~, 14:20~】
キッズプラネタリウム
「きらきら こんやのおほしさま ~なつのほし~」