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コーヒー豆は「豆」じゃない?電子顕微鏡でのぞくミクロの世界

でんけんラボ_コーヒー

朝起きて、コーヒー豆を挽き、ゆっくりとドリップしながら一日をスタートする。
そんな日々のルーティーンをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
先月開催した「夜の科学館」では、10月1日の「コーヒーの日」にちなんで、コーヒーを電子顕微鏡で観察しました。

「コーヒー豆」という言葉が一般的ですが、実は生物学的には「豆」ではありません。
コーヒーノキという樹に生る「果実の種子」なのです。
赤く熟した果実の中には、2粒の種子が向かい合って収まっています。
収穫した果実から皮を剥き、乾燥・熟成させて焙煎したものが、普段私たちが目にするコーヒー豆です。

コーヒー豆

コーヒー豆の表面はつるっとしています。

コーヒー豆の表面

では、断面はどうなっているでしょうか?
断面を見てみると、たくさんの小さな部屋が集まったスポンジのような見た目をしています。

コーヒーの断面

この小さな部屋の正体は「細胞」です。
私たちヒトを含めた多細胞生物は、複数の細胞が集まって形作られています。
特に植物の細胞は、動物にはない「細胞壁」という厚い仕切りを持つため、細胞の形がはっきりと観察しやすいのが特徴です。
また、コーヒー殻には脱臭効果があると言われています。表面に臭い物質を吸着する性質があることと、観察したとおり細胞があることで表面積が大きいことが作用しています。

さて、次に特別に冷凍庫で冷やした粉のレギュラーコーヒーを観察してみましょう。

カフェインの結晶

先ほどの写真とは異なり、針状の物質が張り付いているのが分かります。
これは「カフェインの結晶」です。
温かい場所に保管していたレギュラーコーヒーを冷たい場所に移すと、表面に白いカビのようなものが現れることがあります。これは結晶化したカフェインである可能性が高く、口にしても身体に問題はありません。
コーヒーにはカフェインの他にもポリフェノールや油分など様々な成分が含まれますが、特にカフェインは気化しやすく、それが冷やされて再び結晶化することが知られています。
カフェインの結晶はとてももろく、容器を軽く振るだけで簡単に崩れてしまいます。もし振っても崩れない場合はカビの可能性があるため、飲むのは控えてくださいね。

カフェインを摂取すると、集中力や運動能力の向上に繋がると言われています。「眠気覚ましに飲む」というイメージが強いコーヒーですが、その力の源となる成分を、電子顕微鏡で見事に可視化することができました。

明日からの朝、コーヒーをドリップする時には、あのスポンジのような細胞の集まりやミクロのカフェイン結晶をちょっぴり想像してみてください。いつもの一杯が、少し特別なものに感じられるかもしれません。

【開催概要】
イベント名:夜の科学館 でんけんラボ「コーヒー」
開催日:2026年9月26日(土)