表紙の1枚(vol.17):集まって研究

浜松科学館ニューズレター「COMPASS」。
第17号の表紙は、自然観察園で活動する当館職員とボランティアです。

浜松科学館には「自然観察園」という小さな森があります。端から端まで大人が歩いておよそ100歩程度の広さですが、遠州地域の四季折々の自然が楽しめます。

3年ほど前から、当館のボランティアメンバーと職員の小粥(おがい)さんを中心に、この自然観察園の整備活動を行っています。月に1回、危ない枝や枯れてしまった植物を切除したり、ゴミを拾ったりして、通行する皆さんや、そこに暮らす生き物たちが過ごしやすい環境をととのえています。

「いろいろな生き物、いろいろな人たちがいる〈器〉をつくることを目指しています。特定のものしか生息できないような所ではなく、明/暗・湿/乾を良いバランスでつくって保つことで、さまざまな生き物にとっての居場所がある環境にしたいですね。」

3年前の自然観察園
現在

小粥さんはボランティメンバーと一緒に、この場所の調査・研究活動も行っています。先日は整備の後、それぞれがデジタルカメラを持って、気になった生き物を写真に収めました。その後撮影した写真を見ながら小粥さんが種名や特徴などを解説します。
ジュニアメンバーの1人からは「セミが枯れた木に産卵する理由など、生物の秘密について知ることができました」という感想があがりました。
撮影した写真の一部は、常設展自然ゾーンのモニターで紹介しています。

また、小粥さんは自然観察園に生息する生き物をテーマに取り上げた「105歩で生き物観察」という記事を執筆し、館公式のnoteで公開しています。

「ボランティアの皆さんや他の職員たちと取り組んだ調査の様子を記事にしたりもしていますよ。たとえば最近公開した〈落ち葉で陣取り合戦:ツバキの葉を分解する菌類たち〉という記事では、ツバキの葉に生息する腐生菌について紹介しています。自然観察園にある、状態の違うヤブツバキの葉(①緑色で新鮮な生葉、②黄色でお年寄りな生葉、③落ちた葉)をメンバーみんなで集めて、どのような腐生菌が発生するのか経過観察を行う様子を掲載しました。今後どんな変化があるか、楽しみです。」

記事はこちら(note)

「活動中はメンバー同士でいろいろな会話があります。〈これはこういう事なんじゃない?〉〈こんな違いがあるんだね〉…さまざまな年代の人たちと一緒に話し合いながら考察していく時間を、私はとても面白く感じています。みんなで集まって、サークル活動のように “プチ研究”が楽しめるようにしていきたいですね。」

現在、浜松科学館ではボランティアメンバーを募集しています。
生き物に興味のある方、一緒に科学館で活動してみませんか?

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