表紙の1枚(vol.12):科学館で工作

浜松科学館の広報誌「COMPASS」。
第12号の表紙は、ミニワークショップで参加者にアドバイスする上野さんです。

浜松科学館では、常設展1階でミニワークショップという工作や実験を体験するイベントを毎日開催しています。約2週間で内容が入れ替わり、発泡入浴剤のロケット、ビー玉で作る万華鏡など、これまでに様々なものをお届けしてきました。

内容は当館のスタッフが1つ1つ考えています。
上野さんも、その担当の一人です。
「なるべく身近な材料でできる、驚きのある工作を考えています。」

サイエンスラボ横のギャラリースペースでこれまでのミニワークを公開中

春の企画展「わたしにとっての文具展」でも、ミニワークショップに関する展示を行っています。
この企画展は、文具とそれを使う人が生み出す無限の可能性を、「書く」「切る」といった文具を使用する動作のカテゴリ別に紹介しています。
その中に「科学館職員・上野にとっての文具」というコーナーを設けました。これまでのミニワークの中からカテゴリに沿った工作をピックアップして、その工作と文具との関わりを上野さんが解説したパネルと、実際の工作を展示したものです。

「ミニワークでは様々な文具を使います。切ったり貼ったりする道具として用いることはもちろん、ここで紹介している“クロマトフラワー”のように、通常とは違った使用法をする場合もあります。“クリップバッタ”みたいに、文具自体を工作材料にしちゃうこともありますよ。」

クロマトフラワー
クリップバッタ

「ミニワークの内容は、本に書いてあるものを参考にしてそれに工夫を加えたものや、先例のないものを提供するようにしています。試作の数は計り知れません(笑)。手を動かしながら発想と失敗を何度も繰り返して、新しい発見を重ねることに面白さを感じています。」

「科学も同じではないでしょうか。科学と聞くと、“〇〇の原理”のような、すでに答えがあるものを探るイメージがあるかもしれません。ですが、科学の大事な部分は、失敗を繰り返しながらも、発想を生かして新しい発見を積み上げていく過程だと考えています。科学館で工作を行っている理由には、そんな思いもあります。」

皆さんにも、手を動かして発見する楽しさをミニワークで感じてもらえると嬉しいです。
会場ではぜひ、そばにいる職員に話しかけたり、作った工作を見せに来たりしてください。1人で作る時とは違った発見も生まれていくと思います。